作画用紙の中で、物体が移動したり変形したりする場合、始点と終点の絵を見ながら間の絵を描いたり、1枚ずつ順番に描いていったりすると、どうしても絵が歪みが生じ、スムーズに動いて見えません。
始点と終点の絵が重なるように用紙を移動し、その中間地点に用紙を置き、下から光をあて、紙が透けた状態で中間の絵を作画する事により、ある程度、正確さを維持する事ができます。
始点と終点の絵が先に描かれた状態で、後から中間の絵を描く作業を「中割り」などと呼んでいます。
また、タップ穴を基準にする場合は「タップ合わせ」、用紙の角を基準にする場合は「角合わせ」などと呼んでいます。
テレビ等の商業アニメーションの絵がスムーズに動いて見えるのは、このタップ合わせによる作画を基本原則としているためです。
これに対し、1枚1枚順番に絵を描いていく方法を「送り描き」などと呼びます。
両者の違いは完成作品を見れば概ね判別がつきますので、歴史をさかのぼって作画法を検証する事もある程度可能です。
あまり正確に絵を動かしすぎると機械的になり、味わいに欠ける場合もあるので、テレビ・コマーシャルなどでは、意図的に絵を歪ませたり、感覚的に動かし誤差を出す事によって、素朴な手描き感を強調する場合があります。