エイゼンシュテインのDVD・BOXが発売されるそうです。上のスチールは「ストライキ(СТАЧКА)」冒頭のアニメーション部分。字幕「но(だが)」がコマ撮りで仮面のような顔になった後、円→回転するプロペラの影→パイプを加えた音の影→工場の平面的シルエット→水鏡を使用した映像、等々、華麗なモンタージュが進行します。エイゼンシュテインは、幼児期に受けた身体的コンプレックス・トラウマ、大人や肉親、社会に対する拒絶感・嫌悪感・不信感を画面上の爆発・暴力に置き換え、死より生きる事を選び、苦痛よりエクスタシーを選んだ、もっとも人間臭い人物。ゾートロープ(生命の輪)を歌舞伎で表現するなど、サーカスや遊技場のマジシャンのような人でもありました。ティッセの光と影、シャープなフレーミングによる超映像は、壮大な錬金術を見ているかのようです。