“青色視覚”を進化させたクロマグロ
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=00020130724002
クロマグロが、青い海中にいる魚などの餌を見つけやすいよう、青色の視覚を特別に進化させてきたことが、クロマグロのゲノム・全遺伝情報を解析した水産総合研究センターや東京大学、国立遺伝学研究所などの共同研究で分かった。
光の明暗に関わる遺伝子が作るタンパク質では、より短波長側(青色寄り)の光を吸収できるようにアミノ酸の配列が変化していた。
緑色の知覚に関する遺伝子は、1億年ほど前に2つから5つに増えたと考えられ、そのうち4つの遺伝子のタンパク質で青色寄りの光を吸収するようにアミノ酸の置換が起きていた。これらにより、クロマグロは微妙な青-緑色の違いが認識できるようになったとみられる。
さらに
“緑色遺伝子”と“青色遺伝子”では数千年前に一部の変換が起きた形跡があり、これに伴いタンパク質のアミノ酸配列が急速に変化したとみられる。こうした進化が起きた時期は、マグロと同じサバ科の魚類が出現した時期と重なっており、クロマグロとその仲間が青色に富んだ海洋の表層に適応するために起きた「分子レベルでの適応戦略の一つ」とも考えられる。(記事要約)