(承前)
その日は金曜日で官邸前抗議(金官)の日であった。思いもかけぬトラブルで遅くなり、今日もまた金官に行けなかったと思いながら、T駅前でタクシーを降りると、どこかで大きなトラメガの音がする。「原発…」などと言っている。どうやら反原発集会をやっているようだ。ロータリー中央を見ると、幟が立っている。私は吸い込まれるようにロータリーに向かって走った。
参加者はわずかだが、老若男女そろっている。喜多郎みたいなミュージシャンらしき人が「原発はいらない」とスピーチしている。さらに近づいてみると、「秘密保護法反対」と書かれている。そしてなんと、今日行く予定だった官邸前のIWJによる中継映像がプロジェクターで映っている。いつものメンバーがリアルタイムで映し出されている。ここは東京ではない。保守王国・G県のT駅なのである。私はとびあがって喜んでしまった。なんとこの県でも、T市、そしてゴーストタウンM市で「金曜アクション」をやっていたのだ!
そして私の出生県で起こったさまざまな問題について、皆、マイクリレーをしている。
まるで国会議事堂周辺にいるような気持ちで、1時間のアクションに参加した。
私は心に清水を感じた。両肩にのったおもりが、少し軽くなったように思えた。
そして、帰宅したらさらに吉報が!
与党決定で質問時間が減らされ、無理だと思われていたアニメーション問題の質疑が、昨日の国会で実現していたのだ。その知らせを受け取り、送られてきた議事録を読むうちに、私は涙が出てきた。