2月OAは様々な事情により一箇所R出来なかった。それがちょうどTVフレーム(セーフティライン)の問題と繋がっている。デジタルになりテレフレ問題は消失したという声を聞くが、実はわずかにその問題・課題は継続している。パソコンや編集室のマスモニで見ると動物の足全体が移映っているのに、市販のテレビで見ると足が切れている。この足の有無がかろうじてテレフレ問題継続の証となっている。ただ撮影時、このわずか数センチの差に拘るか否かは個人によって異なる。
地デジ時代になり、液晶モニターが一般的になってしまい、DVD化やリマスター時の色調変化は有名だが、もっと微妙な問題の実例として、CollarBarのグレースケールのわずかな差の確認の可否はディズニーThe Aristocatsにおける黒と灰の微妙な差異のグレーキャットの色の識別問題に繋がっている。また地デジ化におけるスクイズの登場により真円の確認はより重要になっている。私は以上を総合して色彩と真円(スクイズ状態)を確認できるオリジナルフォーマットのBarを使用している。(実際にOAされる作品では勿論必要としない)。
仕事ではハリウッド方式のパラレル撮影+ハリウッド式imaginary line(ともに80年以降)を使用しているが、今日のOAで、枚数制限を優先するあまり妙な繋ぎを一箇所作ってしまった。擬似的imaginary lineの整合性を容認するため、実際にはあり得ない部分が一箇所ある。最初、人物はカメラに対し背を向け、空中の粒子が左←右に動く。次のカットで人物はカメラ正面を向いていて、粒子は左←右に動く。正確に表現するなら、人物が一回振り返る所を見せるべきである。しかしimaginary lineのみが合っているため描写が不正確であっても視聴者は不自然には感じない。このトリックにだまされてしまうとなると、科学的にものを見る目が育つかどうかがやや怪しくなる。imaginary lineは80年代以降、庶民の側でなく、大企業や多国籍経済政策と一体に成長したという経緯を忘れてはならない。