官邸前だけでなく、ドラムデモの日にも出張が入り残念に思っていたところ、出生県でも毎週金曜日、再稼動反対の抗議をやっていたことを思いだした。施設の用事が18時に終わったので、私は駅前に向かった。
駅前ではIWJの中継を大スクリーンに流しながら、今年の夏と同じように、抗議活動を行っていた。
私は早めについたので、常連の60歳ぐらいの方たちに「この公園は許可をとっているのですか?」と尋ねると、公園は市の持ち物で、届けを出せば使えるが、この日119回を迎えるこの抗議では届けは出していないという。それでも警察は来なかったという。遠巻きに抗議エリアを覗き込んでいる2人の男性がいた。常連の女性は「あれは公安よ。私たちを守るために見張っているのよ」と笑った。
大スクリーンには国会正門前のIWJ中継映像がリアルタイムで映し出されていたので、私は寂しくなかった。
G県の空間線量問題や福島県からの避難者1300人などスピーチが続いた。抗議に参加している人はみな勉強熱心で、最新の原発情報をことごとく把握していた。ただ雨宮氏ふうに言うと、この専門性が、勉強嫌いのZ会や安部支持の若年層との軋轢や格差を生む理由のひとつになっているのだなとも思った。確かに知識の無い一見さんには敷居が高いかもしれない。
若い男性が反原連・デモクラシー系のコールをやっていた。私は東京の抗議に参加しているような気持ちになった。「かっこいいコールですね」と話しかけると、「SASPLを参考にしているんです。若い人にも声が届くように。東京の、(あの伝説の)若者憲法集会とSASPLデモに参加しました」と男性はニコッとして答えた。SASPLにいそうなかっこいい男性で、IWJのH記者に雰囲気が似ていた。
夜、ホテルにつくと、エレベーターの中に世界遺産登録を自慢したポスター。「もしや」と思い見てみると、「やはり!」であった。私はそこに書かれている内容に唖然となった。
子供は大人の言う事すべてに対し疑ってかかり、納得のいくまで自分自身で調べるべきだ。年々その答えは手の届かないところに追いやられているが。