人生には大きく決断を迫られる瞬間が何度か訪れる。本社に仕事を減らしてもらうよう要望を出した。この先はどうなるかわからない。普通に生活費を稼ぐためだけなら、仕事がまったく無い人から見れば、今の環境は十分かもしれない。しかしいくつか問題がある。現行の仕事はスタート時は単価が良く、職場Bの仕事(年あたり約12万円)とあわせ、合計150万ぐらいだった。しかし、ほぼアナログ・個人作業のため、経費が少なく、そこから生じる国民保険料を含む課税負担がかなりきつかった。還付で払えるという声もあるが、まったく次年度にための貯金ができないのである。311原発事故以降はなるべく生活の水準を落とした。それでも110万は最低かかる。100万では生活は無理だ。
そこで年収が110万を超えないように、仕事を調節してきた。幸か不幸か、仕事Aの単価は年々下がり、職場Bと合わせ、ちょうど年110万ぐらいに落ち着いた。(ちなみに職場Cはまだ支払いがなく、仕事Aの一部も未払い。数年前、某学習系出版社からは未だに原稿料をもらっていない)。
だが仕事Aが、もし仮に旧作のように20年近く続いた場合、私は自分の時間をほとんど持てず個人作業ができないまま一生を終えることになる。それでなくても311以降、狂気歴代政権のおかげで、活動したり本を読んだりの時間・交通費などがとられる。もちろんそれらの実践無くして作ったら人間として恥ずかしい。
今回、仮に要望が受け入れられ仕事が半分ぐらいに減った場合、年収はだいたい58~104万(46万×年間担当数 +職場Bの12万円)になる。58万円になった場合は他の仕事で補わなければならない。しかしここで思い切って決断し時間を確保しないと、もう後が無い。書籍代は削れないので、削れるのはやはり映画代や交際費だ。もちろんどこかに遊びに行くなどとんでもない話だ。
311以前まで、個人の作業も仕事も、それぞれ両立できていた。それでもTV作品「YB」では、企画準備から4年ほど拘束され大きく中断した。それ以前にも、何度か大きく中断している。日仏合作作品の時などがそうだ。知人の国際キュレーターが、親切心から私の作業が進むよう資金調達のためにと用意した仕事だったが、結局企画は流れ、長い準備時間が無駄になってしまった。それらの経験から、私は本当に完全にすべてを1人でやる以外にないと決心した。